NOVAが半年間の業務停止命令を受けています。
英語教育に(仮初にせよ)携わっているものとして色々考えることがあります。
NOVAが急成長した背景には
①急速拡大する英語教育の普及
②英語初学者の増加
③外国人労働者の増加
などが考えられるでしょう。
①は、経済界からの要請もあって、将来のために又は現在の仕事のために
英語を勉強する場所、機会が増える「必要があった」ということが言えるでしょう。
②は、しかし①の要請に現実が追いついていかず、結果増大したのが、英語初級者・中級者だったことが言えます。
NOVAの主な顧客ターゲットは主にこの初級者でした。
その理由は母数の規模(初級者の数)にもまして、初級者は英語を「外国人と話すと英語が話せるようになる」という「幻想」を抱きやすいということがあげられます。すると「話せるようになる」までお金を掛けてくれるので、結果、人数も多い上に一人当たりのレッスン量もおのずと高くなるという絶好の顧客が誕生したのです。
③は講師として採用できる外国人労働者の数が増加したことです。外国人にしてみたら、英語を教えることは母語を普及させるという大義名分があると同時に、日本人に尊敬とされる対象になり、かつ日本で暮らすための十分な収入になったのでした。
また、雇うNOVA側にしてみても、英語初学者を相手に教えることは大きなスキルを必要としないと思っていたので、外国人ならだれでもよく、確保することが容易であると見込んでいたのでしょう。
では実際はどうかというと、外国人講師の確保はやがて悩みの種になっていきました。理由は外国人にとって英語講師というのが思いのほか退屈な、あるいは大変な仕事であったからなどが考えられますが、確実にいえることは、
本当に確かな英語教育のスキルをもった外国人講師の数は(初等・中等・高等教育においても)実は数が少ないということです。
そうしたスキルをノウハウとして蓄積していかず、顧客確保のみを追求していったからこそ、こうした結果を招いてしまったのでしょう。