でかいことを大雑把に言いますと、教育の目的は2つに集約されます。
それは
①個人の人格の形成
②社会の担い手の育成
です。
近年の教育界に大きな影響力を及ぼすのが、経団連など経済界からの要請です。
資源のない日本がどのように世界をリードし、現在の生活水準を維持していくかを考えるために
そこでは①よりむしろ②のほうが当然重視されます。
それが影響したのかどうか、結果学校に導入されたのが市場原理、ひいては実学主義でした。
実学主義とは将来の仕事に直結する教育を行っていこうというものでしたが、結果崇められたのが医者や弁護士など特殊な技能を必要とする専門職でした。
将来の役に立つ、立たないで2分化するという、子ども達の(親たちの)判断基準の価値観がここに生じました。
今では小学生ですら、ひらがなを勉強するのが役に立つのか、掛け算を勉強するのが役に立つのかと聞いてくるそうです。
しかし、彼らの感性に合わせた回答を用意することができるわけもなく、結果、教師を友達と見なすようになったり、子ども達の勉強への意欲が低下するといった弊害が生まれています。
こうした環境で育った子ども達は、自尊心はあるが自制心がない、そんな子ども達です。
次世代を形成する子ども達の問題は大人の問題です。私たちは大切なものについてもう一度考える必要があるのかもしれせん。